少しの間目を離していると、目の前のある液晶ディスプレイは真っ暗になっていた。
いつも通りディスプレイの省電力機能が働いたのだろう、5分間何も操作しないと表示を切るように設定している。
キーボードの適当なボタンを押す。・・・うんともすんともいわない。
なんだかおかしいな・・・訝しげにパソコンやらディスプレイやらをチェックする。
ビデオカードもディスプレイもしっかりコードは接続されている。
再起動してみよう。
いつも通りなら一旦パソコンのファンが全開で回り、その後ヒュルヒュルと静かに回りつづけBIOS画面が拝めるはずだ。
BIOS画面は一向に姿をあらわすことは無かった。がっかり。何かが壊れたに違いない。
うるさい、どこかのファンがずっと全開で回っているにに気づく。うーん・・・電源が逝ったかもしれない直感でそう思った。
以前使用していた550wのシーソニック電源は度重なる酷使の末、へたってしまい今のシステムでは容量不足で起動できなくなっていた。
冬にはコールドブート問題でドライヤーで暖めなくては起動できなかったほどだ。
そうした理由で750wのLianli製の安売りされていた電源に交換したのだ。
しかし電源を買い換えたのは半年ぐらい前でそんなに早く壊れるかなぁ。
あっ!?そういえば昔自作マシンを組み上げてスイッチ押した瞬間に電源が爆発するという苦い経験があったのを思い出す。確かサイズの電源だった。
過去の嫌な記憶を振り返りまだ保証は効くよなぁなどと考えつつ原因究明作業を続ける。
猛烈な音を発しているファンを耳を清ましてチェックしてみるとビデオカードから聞こえる。
しかしブート失敗したときにはファンが全力で回り続けるというのはコールドブートの時に経験しているのでとりあえず保留。
色々考えてみて怪しいのはディスプレイ、電源、ビデオカードと判断。
まずディスプレイをチェック、そういえばこのディスプレイも随分使ってるなぁ。
2007年頃にハマっていたゲームBF2で負けるのが悔しくて当時では高価であまり種類のなかった24インチのディスプレイを10万円出して買ったのだった。
今では2万円で買えてしまう・・・。
色々いじってみた結果、メミュー画面など映るのでこれはないと判断。
電源は配線がめんどうなので後回しにする。
異音を発しているビデオカードは8800GTの1スロットタイプである。
いわくつきの爆熱爆音モデルである。熱で寿命が縮んだかなと思案しながら抜き差して再起動。だめだ。
サブマシンから外した同じく8800GTを繫げる。同じチップなのでドライバは変えなくていいのが楽だ。
ビンゴ!!映った。
念のためサブマシンに故障したビデオカードを刺してみると異常を知らせるピープ音が鳴った。ビデオカードの故障とみて間違いない。
ゼンメモは内心買い替えが必要かと思って焦っていた。手に汗を握り必死だった。プロジェクトX・・・。
原因がはっきりしたので早速パーツ交換のためのビデオカードの選定作業に入る。
今のところゲームはやらないのだけど、せっかくなので性能は8800GTより上でなるべく安いやつを探す。
色々検索した結果GTX550Ti(AF550-1024D5H1)に決定。
アウトレット価格で7550円。コストパフォーマンス高い。
送料代引きなんかでプラス1000円程払い購入。
AFOXっていうマイナーなメーカーなのでレビューなんかもないし、ファンの音とか少し心配だけど。うるさくなかったらいいなぁ。
ビデオカードが届いた。
アウトレット品といことで箱が一部潰れている。
中を開封してみると箱の裏に謎の足跡。
ワトソン君この箱を踏んだ犯人は大柄な男だね。
おい注文が入ったぞ。適当にその辺に投げ捨ててある箱に詰めてさっさと送っておけ!
こんな景色が浮かぶ。
まあ中身さえ無事ならそれでいい。
未開封の綺麗なものであった。
ドライバディスク
変換コネクタ
AFOXロゴシール2ケ
LEDライト&水準器付きプラスマイナスドライバー
説明書
が付属していた。
8800GTとGTX550tiを並べてみる。
カード長は随分短くなった。
これで潰れていたSATAポートも使えるようになる。
ついでに8800GTはどこが壊れたのか一応みておこう。
ぱっと見どこも壊れた様子はない。コアかメモリが死んだのだろうか。
シロウトには判別がつかない。
3スロット仕様という触れ込みだがすぐ上のPCIに刺してあるPT2に干渉しそう。
ビデオカードのファンを留めているネジとの隙間はよく観察してみたがコピー用紙一枚ぐらいの隙間しかない。
差し込むときにはそのねじでPT2を引っかいて軽く傷つけてしまったもう干渉してるも同然、これは4スロットだろ・・・。
ふとネジが緩んでるのではと思い締めなおしてみると案の定・・・干渉はなくなった。
真上にあるPT2が熱でやられてしまうのではないかと心配する。
それにしても久々にパソコンをいじってあまりの狭さにヒーヒー言ってしまった。ビデオカードのコンデンサをグニるハプニングもあった。
レビューというほど大層なものではないがせっかくなので記録として残しておこうと思う。マイナーなやつだし。
3dmarks06のデフォルト設定で測ってみると、スコアは8800GTから10%程向上。
エクスペリエンスインデックスでは6.8から7.3にアップした。
温度は室温23度でアイドル25度である。ATitoolで少し負荷をかけてみたところGPUの温度は65℃まで上昇し頭打ちとなった。
ファンは常に一定の回転数で回っていてフーという音がする。ファンコントロールはできないようだ。
見た目からしてコストを削ったヒートシンクの作りであることは明白だったのであまり期待はしていなかったのだが。お世辞にも静かとはいえない。